震災関係の報道も徐々に少なくなり、いろいろなことが「いつもどおり」に近づきつつありますね。
強風の中、新しく完成したお墓の開眼供養のお手伝いをしてきました。
お客さまは何年も前からずっとお墓を改修されることを計画されていて、それが今日ついにかたちになり、とても喜んでいただきまして、仕事をさせていただく中でこの瞬間が一番やりがいを感じずにはいれない時間でもあります。
ところで、震災以来、テレビやラジオ、新聞で「つながり」や「絆」といった言葉を目にしない耳にしない日はありません。
極限の状態に置かれ、またはそれを垣間見て、日ごろ見えずらいものが見えてくる、ということがあるのかもしれません。
メディアで「つながり」といった時には、地域のつながりや、家族のつながりという意味で使われていることがほとんどのように感じますが、その根っこにあるのはやはり、命のつながりなんだろうとあらためて考えさせられています。
この瞬間にこの世に存在しているすべての命は、それをつなげてくれた途方もない数のご先祖の命を受け継いで受け継いで、そして、今という瞬間に存在し、そして、その命はさらに未来につながっていく命なのですね。
そのつながりは、感覚的なものではないですね。どんな人も物理的に母親のおなかのなかでつながっていたわけですから。
家族という単位で考えてみると、今、この瞬間にこの世に存在している家族のメンバーだけが家族なのではなくて、それぞれの命を受け継いでくれた、今この瞬間にはいないメンバーもまた家族の一員なのではないでしょうか。
そういう意味で、家族は全員が同時に揃うことがないチームであると思います。
お墓は、時を越えて、すべての家族をつなげることができる装置、と捉えることもできるのではないでしょうか。
これからも石を通して、「つながり」を大切にして仕事をさせていただきます。